WordPressのパフォーマンス向上には、PHPのバージョンアップが欠かせません。PHPはWordPressの動作を支えるプログラミング言語であり、最新バージョンを利用することで速度の向上・セキュリティ強化・サーバー負荷の軽減が期待できます。
しかし、むやみにPHPのバージョンを更新すると、プラグインやテーマの互換性問題が発生することがあります。本記事では、PHPバージョンの変更による速度の変化や、更新手順・注意点を詳しく解説します。
PHPバージョンを上げると速度はどう変わる?
WordPressの動作におけるPHPの役割
PHPはWordPressのバックエンドで動作し、記事の表示やデータベースの処理を行う重要な要素です。PHPのバージョンが新しくなると、処理速度の最適化・メモリ消費の削減・セキュリティ強化が施されるため、サイトのパフォーマンス向上につながります。
PHP 7.4 / 8.0 / 8.1 の速度比較(ベンチマークデータ)
PHPバージョン | WordPressページの処理速度(秒) |
---|---|
PHP 7.4 | 2.1秒 |
PHP 8.0 | 1.6秒(約24%短縮) |
PHP 8.1 | 1.4秒(約33%短縮) |
速度改善の実例(ページ読み込み時間の変化)
あるサイトでPHP 7.4 から PHP 8.1 にアップデートした結果、
- ページ読み込み速度が 3.5秒 → 2.2秒 に短縮(約37%改善)
- サーバーのCPU使用率が低下し、安定した動作を実現
- TTFB(サーバー応答時間)が短縮し、体感速度も向上

PHPバージョンを更新する前に確認すべきこと
① 互換性チェックが必要な理由
PHPのバージョンを上げると、古いプラグインやテーマが対応していないことがあります。
- 影響を受けやすいもの: キャッシュ系プラグイン、カスタムコードを含むテーマ
- 事前確認方法: 「PHP Compatibility Checker」などのプラグインを使用
② サーバーが対応しているか確認する方法
- サーバー管理画面で対応バージョンを確認
- 対応していない場合: 事前にレンタルサーバーのサポート情報をチェック
③ バックアップの推奨(サイトの安全性確保)
- サイト全体のバックアップ(データベース・ファイル含む)
- 「UpdraftPlus」や「All-in-One WP Migration」などのプラグインを活用
PHPバージョンのアップグレード手順
1. サーバー管理画面からPHPのバージョンを変更
- ConoHa WING: 「サーバー管理」→「PHP設定」→ 最新バージョンに変更
- Xserver: 「サーバーパネル」→「PHPバージョン切り替え」
- cPanel: 「ソフトウェア」→「MultiPHP Manager」
2. PHPアップデート後の動作確認
- WordPress管理画面が正しく表示されるか確認
- プラグイン・テーマが正常に動作するかテスト
- サイト速度の計測(Google PageSpeed Insightsなど)
3. エラーが出た場合の対処法
- ダウングレードする: サーバー管理画面で前のバージョンに戻す
- エラーログを確認: 「wp-config.php」に
define('WP_DEBUG', true);
を追加し、詳細をチェック - プラグインの無効化: 問題のあるプラグインを一時的に停止し、互換性のある代替プラグインを検討
PHPバージョンを上げた後の注意点
① サイトが正しく動作しているかチェック
- 「Health Check & Troubleshooting」プラグインでエラーチェック
- 主要なページや投稿が正常に表示されるか確認
- 管理画面のパフォーマンスが向上しているかテスト
② プラグイン・テーマの更新を行う
- PHPアップデート後は、最新のバージョンにアップデート しておくと安定性が向上
結論|PHPのアップデートは定期的に行おう
- PHPの最新バージョンは速度向上・セキュリティ強化・サーバー負荷軽減に役立つ
- 互換性を事前にチェックし、トラブルを回避することが重要
- 定期的にアップデートを行い、快適なWordPress運営を目指そう!

まとめ
- PHPのバージョンを上げることでサイト速度の向上とセキュリティ強化が期待できる
- アップグレード前に互換性チェックとバックアップを必ず行う
- 定期的な更新を行い、安全で快適なWordPress運営を目指そう!
FAQ(よくある質問)
1. PHPバージョンを上げるとサイトが壊れることはある?
➡ 答え: 可能性はあるため、必ず互換性チェックとバックアップを取ることが重要。問題が起きた場合はダウングレード可能。
2. どのPHPバージョンを使うべき?
➡ 答え: 最新の安定版(現在はPHP 8.1または8.2)を推奨。ただし、プラグイン・テーマの対応状況に応じて判断。
3. PHP 8.0以上で不具合が出たらどうすればいい?
➡ 答え: 互換性のないプラグイン・テーマを最新バージョンに更新するか、問題が解決しない場合はPHP 7.4に一時的に戻す。
4. PHPバージョンの確認方法は?
➡ 答え: WordPress管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」から確認可能。または、サーバーパネルでも確認できる。
5. 自動アップデートできる方法はある?
➡ 答え: 一部のサーバーでは自動アップデート機能があるが、推奨されるのは手動での管理。事前に互換性チェックを行うことが大切。
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