はじめに
WordPressは世界中で利用されている人気のCMSですが、その人気ゆえにハッカーの標的になりやすいという側面もあります。
適切なセキュリティ対策を行わないと、不正アクセスやデータの改ざん、マルウェア感染などのリスクが高まります。
本記事では、WordPressサイトを安全に運営するための基本的なセキュリティ対策について解説します。
WordPressのセキュリティが重要な理由
WordPressは世界のウェブサイトの約43%で使用されており、その人気ゆえにハッカーの主要な標的となっています。2022年の調査では、WordPressサイトの約90%がハッキングの試行対象になったと報告されています。
攻撃者は、既知の脆弱性を悪用して不正アクセスやデータ改ざんを試みます。適切なセキュリティ対策を講じないと、ブルートフォース攻撃、不正ログイン、マルウェア感染、SEOスパムなどのリスクが高まります。
基本的なセキュリティ対策
サイトの安全性を確保するために、以下の6つの基本的なセキュリティ対策を実施しましょう。
1. ユーザー名とパスワードの強化
弱いユーザー名やパスワードは、攻撃者に簡単に突破される可能性があります。
- 避けるべきユーザー名: admin, user, test, guest など
- 推奨されるパスワード: 12文字以上、英大文字・小文字・数字・記号を含める(例:
8!Fg$3hXzK@1q
) - 二段階認証を導入: 万が一パスワードが流出しても不正アクセスを防止
2. 定期的なバックアップ
サイトが攻撃を受けた際や誤操作によるデータ損失を防ぐため、定期的なバックアップは不可欠です。適切なバックアップを取ることで、万が一の際にも迅速に復旧できます。
- 推奨方法: サーバーのバックアップ機能を活用し、プラグイン(UpdraftPlusやBackWPup)を利用
- バックアップの保存場所: クラウドストレージ(Google Drive、Dropbox)や外部サーバーに保管
- 推奨頻度: 週1回以上、重要な更新前には手動バックアップを取得
3. WordPressとプラグインの最新化
セキュリティの脆弱性を突かれないように、WordPressとプラグインは常に最新の状態に保ちましょう。
- 自動更新を活用: 互換性の問題がない場合は有効化
- 手動更新を検討: カスタマイズされたテーマやプラグインがある場合は、事前にバックアップを取得して手動更新
4. セキュリティプラグインの導入
セキュリティ対策を強化するために、以下のプラグインを導入しましょう。
- 推奨プラグイン: Wordfence Security, iThemes Security, Sucuri Security
- 主な機能: ログイン試行回数の制限、ファイアウォールの適用、マルウェアスキャン
5. ログインページの保護
攻撃者が最も狙うのはログインページです。特にブルートフォース攻撃では、無作為にパスワードを試して不正アクセスを試みます。
- ログイン試行回数を制限: Login LockDownプラグインを使用し、一定回数の失敗でアカウントを一時ロック
- CAPTCHAの導入: reCAPTCHAを設定してボットによる攻撃を防止
- wp-admin へのアクセス制限: 特定のIPアドレスからのみアクセス可能に設定
- ログインURLの変更: WPS Hide Loginなどのプラグインで管理画面URLを変更し、攻撃のリスクを低減
6. SSL化(HTTPS対応)
サイトの通信を暗号化し、セキュリティと信頼性を向上させましょう。HTTPSを導入することで、ユーザーのデータ保護だけでなく、SEOの評価向上にも貢献します。
- 無料のSSL証明書: Let’s Encryptを利用(更新頻度が高いため、自動更新設定を推奨)
- 有料のSSL証明書: 企業向けの高信頼性証明書(DV, OV, EV)で、企業の公式サイトとしての信頼性向上
- 移行時の注意点: 内部リンクのリダイレクト設定、ミックスコンテンツの修正(HTTPとHTTPSの混在を防ぐ)
3. まとめ
WordPressのセキュリティ対策は、サイトの安全性を確保するために不可欠です。以下の6つの対策を実施することで、ハッキングリスクを大幅に軽減できます。

まずは、基本的な対策を実施し、安全なWordPressサイトを運営しましょう。
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